【着物を大切に!長持ちさせましょう】衣替え・虫干しの時期やコツについて
宮中では、5月の立夏と10月の立冬の日に更衣(衣替え)が行われます。
天皇の御召物いっさい、部屋の飾り付け、夜具など全て季節に応じて変えられます。
室町時代まで衣替えは夏と冬の2回だけでしたが室町時代以降、合着ができて近代の衣替えの形式が生まれました。
着物の世界でも10月になったこの時期は衣替え(ころもがえ)となり、袷(あわせ)と呼ばれる裏地のついた着物を着用することとなります。
帯についても、袷の帯をつけます。
着物好きにとっては、着物や帯の入れ替えで忙しい時期ですね。
そこで今回は着物の【虫干し】について。
着物は湿気を吸うといたみやすくなり、カビも発生しやすくなります。
そこで虫干しと言って、着物や帯・草履やバックなどの小物類の湿気をとる、日本ならではのお手入れ法をするのです。
虫干しには季節ごとに呼び名があり、 7~8月の土用干し、10~11月の秋干し、1~2月の寒干しがあります。
梅雨の湿気をとる夏、空気がよく乾燥している時期の秋、最も乾燥している冬と、昔は丁寧なお手入れをしたようですが、今では梅雨明けと2月の年2回は最低行うと良いようです。
土用干しの時は冬にあまり手を通さなかったもの、留袖、喪服などたまにしか着ない物に風を通し、包む布を洗ったり、たとう紙を替えたりします。
冬には夏の絽、紗、あまり着なかったものを干します。
いずれも2~3日晴天が続いたあとのカラッと晴れた日、午前10時から午後3時ぐらいまでの間に室内の風通しの良い場所に綱や竿などに着物をかけ、風を通して湿気を取り除きます。
その時間内で整理できるくらいの数にしておかないと次に虫干しをするのが億劫になってしまいますので、やはり半年に一度はお手入れをするのが着物を長持ちさせるコツです。
虫干しする時には、シミや汚れなどの点検も忘れずにしましょう。
虫干しは、着物を長く着るための生活の知恵です。